2024年03月31日
2024年03月20日
この記事は、2024年3月15日(金)から3月20日(水・祝)まで、東京・渋谷にあるシビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]で開催した展覧会「Art for Well-being 表現とケアとテクノロジーのこれから」の展示内容と関連資料、シンポジウムの映像をまとめています。
目次
催名 Art for Well-being 表現とケアとテクノロジーのこれから
文化厅委託事業 「令和5年度障害者等による文化芸術活動推進事業」
会期 2024年3月15日(金)-3月20日(水・祝)
会場 シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]スタジオB
主催 文化庁/一般財団法人たんぽぽの家
提携 シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]
協力 社会福祉法人わたぼうしの会、NPO法人エイブル・アート・ジャパン
全体監修 小林茂(情報科学芸術大学院大学[IAMAS]教授)
一般財団法人たんぽぽの家
展覧会「Art for Well-being 表現とケアとテクノロジーのこれから」にご来場いただきありがとうございます。
表現すること、表現に触れること、表現しあうことは、よく生きるために必要だとわたしたちは考えています。だからこそ、病気や事故、加齢、障害の重度化などにより心身の状態がどのように変化しても、さまざまな道具や技法とともに、自由に創作をはじめることや、表現を継続できる方法を見つけていく必要があります。
たんぽぽの家では、1973年に市民運動として活動を はじめてから、ワープロを障害のある人の自立につなげるための活動や、インクルーシブデザインの普及事業、創作を支える道具や仕組みづくりなど、表現やケアの現場におけるテクノロジーの可能性を探ってきました。2022年からは福祉の現場で画像生成AI(人工知能)やVR(仮想現実)や触覚技術など新しいテクノロジーと表現のかかわりを考える実験的な取り組みを実施してきました。
今年度はさらに取り組みを進め、音楽、ダンス、コミュニティなど、表現やケアにおける別のありようを技術者と連携しながら試行錯誤しています。本展覧会を通して表現とケアとテクノロジーのこれからについて、ぜひ一緒に考えていきましょう。
全体監修: 小林茂(博士[メディアデザイン学]・情報科学芸術大学院大学[IAMAS]教授)
テクノロジーは人間にとって不可欠な存在です。テクノロジーというと、AI、MR(複合現実)、ブロックチェーンなど、現代において先端的とされるテクノロジーが想像されるかもしれません。しかしながら、文字、製紙、織物、発酵、楽器などもまた古くから在るテクノロジーです。人間は生まれながらにして人間なのではなく、口話や手話などの言語を学ぶところに始まり、様々なテクノロジーを使う技術を習得することによって人間に成るのです。
この意味において、すべての人間は〈技術者〉であると言えるかもしれません。テクノロジーは、それぞれに適った技や術があって初めて、手許に在るものにできます。例えば、絵を描く、踊る、楽器を演奏するといった表現活動は、それぞれの技術を身に付けて初めて可能となります。手許に在る〈技術者〉は確かに少数かもしれませんが、地続きなのです。
本プロジェクトでは、表現とケアとテクノロジーのこれからに何らか期待する〈技術者〉たちが集まり、お互いの存在を感じ、変容しながら取り組んできました。その結果、未だ名前の無いような何かに辿り着くことができたと感じています。この展覧会が、この臨場感を共有し、来場者のみなさまによる次の展開の契機となることに期待しています。
展覧会場の様子
たんぽぽの家アートセンターHANAで活動するアーティスト、武田佳子さんの創作活動の変化が出発点でした。武田さんは1985年頃に油絵具に出会い、描くことに魅了され、ネコや花などをモチーフに描いてきました。油絵を描くことが体力的に難しくなりパステル画などに挑戦し、2002年からは水墨画へ。その頃から一人での制作が難しく、創作活動を支えるアートサポーターと共同で制作するようになりました。その後、姿勢を保つことや筆を持つことも難しくなるなど障害の重度化が進み、どのように描いていくかを悩んだ時期もあります。
しかし、身体が変化しながらも創作活動への意欲をもち、「今後、もし絵を描くことができなくなっても、心の中で描きつづけたい」と話した武田さんの言葉にも後押しされ、2020年にプロジェクトをスタートしました。そこから、武田さんの表現をどのように支えられるか、武田さんとAIが出会えば何が生まれるのか、同じような状況にある人たちにも何かができないだろうかと、テクノロジーを用いた表現の可能性を探りはじめました。
昨年度は、アートとケアの現場におけるAIの可能性をさらに探っていくこと、またAIに限らずVRやIoTといったテクノロジーを用いた表現やケアの可能性を探っていくことをめざしました。
表現に寄りそう存在としてのAI
画像生成技術を手がかりに言葉や想像を重ねて表現を生み出し、楽しみや試したいことを見出しながらよい関係を探る。
監修 徳井直生
CAST: かげのダンスとVR
光と影、陰の中の影を感じるダンスから得た発想をもとにVRアプリを開発し、VR上でダンスパフォーマンスを体験する。
監修 緒方壽人
実感する日常の言葉-触覚講談
福祉の現場にある日記や詩、ふと書かれる文章。神田山緑さんの講談と触覚を伝える技術とともに新たな伝わり方を探る。
監修 渡邊淳司
新しい創作活動、表現活動、鑑賞方法、販売方法をつくることを目的に実践的な4つの取り組みを実施しました。
WAVE: なみのダンスとMR
現実世界と仮想世界を融合させた世界のなかで、波の動きを通して感覚を共有するダンスパフォーマンス。
監修 緒方壽人
音との新たな出会いを生み出すAI
AIプラグイン「Neutone」を用い、身近な音から音楽作品をつくりだすワークショップを開発。
監修 徳井直生
とけていくテクノロジーの縁結び
ALSの体奏家、ジャワ舞踊家、踊る手しごと屋、インタラクション研究者のコレクティブ。
監修 筧康明
Good Job! Digital Factory
デジタル上の福祉の実現をめざして新しい仕事・文化を一緒につくるNFTプロジェクト。
企画・協力:株式会社日本総合研究所、TART.K.K
「WAVE: なみのダンスとAR」 ワークショップ 約6分30秒
出演 佐久間新、たんぽぽの家 メンバー (大西照彦、河口彰吾、河野望、清水要一、下津圭太郎、たーやん、中本吉彦、永富太郎、畑中栄子、本田律子、水田篤紀、前田考美、松田陽子、山口広子)、たんぽぽの家 スタッフ(佐藤拓道、林みどり)ほか
監修 緒方壽人(デザインエンジニア、Takram ディレクター)
音楽 松井敬治(ECHO AND CLOUD STUDIO)
映像 les contes
プロジェクトについて
昨年から関わっているこのプロジェクトは、表現とケアとテクノロジーがそれぞれ持っている可能性を持ち寄って、お互いの小さな気づきをキャッチボールしながら、それぞれの新しい可能性を探る共同研究のような取り組みだと思っています。
今年はよりそのことを意識して対話と実験を重ねる中で、佐久間新さんが踊りの中で長年扱われてきた「水」に着目しました。舞台上の演出だけでなく、水が入ったペットボトルを持って中の水の揺らぎを感じながら踊るだけでも踊りが変わるといったように、水が体を動かすための触媒として効果的に使われていたのです。そこから、触れると波紋が広がる水面のようなインスピレーションが生まれ、また音楽家の松井敬治さんにも対話に参加してもらったことで、水面に触れると音が生まれ、それが音楽になるようなアイデアも生まれました。
目指したのはゲームではなくダンス。プレイヤーではなくパフォーマーとして、勝ち負けではなく踊りたくなるようなもの。本番ではゴーグルをつけない演者も舞台で一緒に踊ったことでリアルとバーチャルの垣根がなくなり、また舞台袖からも私は水面の高さを、松井さんは音を操り一緒に参加できたこと。本番の数時間は、ようやく「テクノロジーを試してみる」という域を越えて「パフォーマンスが生まれた」手応えのようなものが少し得られたような気がしています。
技術解説
Mixed Reality
ゴーグルをつけた複数の人がリアルでもバーチャル空間でも同じ場を共有する仕組みは昨年から踏襲しつつ、今年はゴーグルをつけても周りが見えていて現実世界とバーチャル世界が重なるMR(Mixed Reality)という技術で何ができるかを考え、それが新しい可能性の種となってアイデアが広がっていきました。
なみから生まれるダンスと音楽
コントローラを用いず、手や頭を動かしてバーチャルな水面に触れることで波紋がうまれ、そのなみがお互いに影響しあってまた体の動きを引き出します。水面は触れると波紋が広がるだけでなく楽器のように音が鳴り、その音と波紋はリフレインしながら徐々に消えていきます。複数の人がその場で同じ水面に触れ、触れる動きによって音の強弱が変わり、音程や音色もランダムに変わっていくことで、なみのダンスからその場限りの音楽が生まれます。
ライブパフォーマンス
舞台上でゴーグルをつけると見える水面の高さは、舞台袖のPCからリアルタイムに変えられるようにしました。水面の高さが高くなったり低くなったりすることで舞台上のパフォーマーの動きもまた変わっていきます。さらに、動きから生み出される音に音楽家の松井さんがその場でエフェクトをかけることで、パフォーマーと音楽家の間にも即興的なやり取りが生まれました。
緒方壽人(デザインエンジニア、Takramディレクター)
タイムライン
今後の展望
ゴーグルをつけている人、つけていない人がデジタルで表現された波を感じ、踊ったり、鑑賞したりする新しい体験がうまれました。今後、体験型の展示の場や教育機関などにおいてワークショップが開催され、リアルとバーチャルを超えた感覚の共有や遠隔による参加など、さまざまなかたちで表現活動に参加する人が増えることが期待できます。
プロジェクトについて
音や音楽との新しい付き合い方を、AIを用いて提案できないか。
そんな想いから、今年は、身の回りにある何気ない音をAIを使って変換し、組み合わせることで、音楽未満、単なる音以上の何か、「音・楽」をつくることに挑戦しました。
その背景にはもちろん、凄まじい勢いで発展する生成AI技術があります。昨年度の画像生成AIを用いたワークショップでは、一定の手応えを得たものの、それらしい画像がテキスト入力のみから自動的に生成される(されてしまう)ため、参加者が寄与する余白が十分でなかったという気づきもありました。
今回はその反省を踏まえ、フィールド・レコーディングでの音の収集、AIモデルとの組み合わせの選択、AIの出力の編集など、参加者の積極的な関与を意図的に増やしています。その結果、グループ内でのより活発なやり取りが生まれただけでなく、AIの出力に真剣に注意を払い、その取捨選択を行ったり、意外な結果に一様に笑い声を上げたりと、AIを楽しみながら主体的に使いこなそうとする姿勢が随所で見られました。
最新のAIを用いて、音と音楽の間にある何かに耳を澄ませる試みを通して、人とAIとの望ましい関係性への貴重なヒントを得た、そんなワークショップだったように思います。
技術解説
音を変換するAIツールとしては、筆者が代表を務めるQosmoが開発を進めてきたAIオーディオ・プラグイン、Neutoneを利用しました(2023年7月にNeutoneとして分社化)。Neutoneは、AI研究者、エンジニアとアーティストをつなぐコミュニティの構築を目的にスタートしたプロジェクトで、AI音響処理モデルの音楽制作ソフトウェア上での利用を可能にします。
現時点で、50種類近いAIモデルが有志によって公開されていますが、特に人気があるのが、入力された音を全く別の音にリアルタイムに変換する音色変換のモデルです。今回利用したRAVEと呼ばれるAIモデルは、「学習した特定の音のみに対応したmp3圧縮アルゴリズム」に似ています。例えば、バイオリンの音のみを学習したモデルであれば、どんな音を入力しても、圧縮し、解凍するとバイオリンの音に変換されてしまうというわけです。その際、音程や音量はもちろん、音の掠れ具合、微妙なビブラートなどを含む細かい入力のニュアンスが、出力に反映されるのが大きな特徴です。
街中の喧騒が讃美歌に、足音が太鼓に…Neutoneを通して身の回りの何気ない音が別の音に変換される、その意外性を楽しむとともに、かえって元の音に意識を向けることにも寄与しました。
徳井直生(株式会社Qosmo代表、株式会社Neutone代表)
タイムライン
今後の展望
ワークショップでは、身近な音や音環境に改めて耳を澄ませ、AIを用いて変換させる試みを通じ、聞くことそのものの感覚を捉え直すことにつながりました。これらの取り組みを福祉や医療、教育、地域交流といった多様な場所で実施することにより、誰もが音を使った創作活動に気軽に取り組めるようになり、それぞれの現場から新たな音の楽しみ方が生まれてくるかもしれません。
音との新たな出会いを生み出すAI 5分
2024年1月に開催したワークショップ。最初にAIオーディオ・プラグインNeutoneをつかい、自分の声や物音を別の音に変換することを体験。その後、建物の中や屋外でフィールドレコーディングを実施。最後にみんなが集めてきた音素材を変換し組み合わせ、1つの「音・楽」を制作しました。
Neutone 体験コーナー
AIプラグイン「Neutone」を体験できます。8つのボタンのいずれかを押してモデルを選び、入力したい音(手をたたく、声など)をマイクに向けてください。
なお、同じボタンを連続して押すと、全てのモデルが同時に選択されてしまいます。そのときは、もう一度ボタンを押してください。
選択できるモデル
1:入力そのまま[Input]
2:ヴァイオリン[Violin]
3:ジャンベ[Djembe]
4:コラ(西アフリカの弦楽器)[Kora]
5:讃美歌[Choir]
6:英語話者の声[English Voice]
7:クジラの鳴き声[Whales]
8:NASAの通信音[NASA]
制作した音・楽を聞く
第1回2023年8月26日と第2回2024年1月13日に開催したワークショップで作成した音源を聞くことができます。
お好きな音源のアイコンをタップしてお楽しみくださいご自身の携帯で聞きたいときはこちら。
https://note.com/hashtag/ArtforWellbeing_Neutone
とけていくテクノロジーの縁結び 21分39秒
出演 新井英夫、佐久間新、板坂記代子、筧康明
映像 丸尾隆一
協力 小日山拓也
プロジェクトについて
新井英夫さんと佐久間新さんの共演、それだけで期待が高まる企画でした。同時に、テクノロジーが熟練の技の交わりにどのように関われるかという深い問いへの挑戦でもありました。
新井さんはALSを患われています。最初、僕はテクノロジーでその不自由さをどう「支援」できるかと考えました。しかし、初回の顔合わせで板坂記代子さんを含めた3人が始めた即興を目の当たりにして、考えが変わりました。彼らの動きは、制約や不自由さすらも表現の一部として生き生きと昇華させているように見えたのです。
このプロジェクトでは、支援は忘れ、テクノロジーを介して3人の生み出す世界を鑑賞者を含めた周囲に開くこと、そしてその「環境」が3人の創作にさらなる刺激を与える触媒のように作用することを目的としました。そこではテクノロジーが異質なものとして居座るのではなく、空気のように場にとけていくことを強く意識して開発に取り組みました。
なお公開実験では、技術的不具合から一部の装置が動かず、テクノロジーは新たな「障害」をもたらしましたが、その状況すらも表現に取り込んだ彼らのパフォーマンスは障害、テクノロジー、そして表現を考える視座を与えてくれました。
技術解説
まず、エアサーキュレータの風で宙に浮かぶ紙風船を作りました。紙風船は周囲の気流に敏感に反応し、動きを変えます。紙風船はダンサーと共に踊り、また気流を可視化する装置として作用します。
次に、空間の端に置かれたモニターには、センサでリアルタイムに取得された環境のCO2濃度、温度、湿度が可視化されます。公開実験では終盤に板坂さんが部屋を出て窓を開けると、外からの冷たい風が観客席まで届くとともにCO2濃度が下がり、視覚と触覚で場の変容を感じる体験ができました。
さらに、無線駆動で光り方を制御できるLED光源モジュールを制作しました。仰向けになると動きやすい、手を伸ばすと身体の前に自分の空間が生まれるという新井さんの話からアイディアを広げ、光源を胸に置いて手を伸ばすと大きな影絵が天井に広がります。
最後に、身体の動きに応じて音を発する装置を作りました。レインスティックという円筒内に砂粒を含んだ楽器を使い、ダンサーの動きを音に変換します。ダンサーが装着する加速度センサのデータを無線で取得し、モーターが駆動、音を生み出します。複数のスティックが奏でる音と共に、新たな動きが開拓されていきます。
筧 康明(東京大学 大学院情報学環 教授)
タイムライン
今後の展望
テクノロジーが触媒となり、ダンサーの身体とは異なる何かが環境に加わることによって、新たな動きが生まれる現場となりました。これを見た人が技術者と繋がって新しい取り組みを始めたり、また医療や福祉の現場で本取り組みの映像の鑑賞機会をつくることで、より当事者のウェルビーイングに繋がっていく取り組みが生まれることが期待できます。
プロジェクトについて
デジタルな空間では、場所や時間を超えて、今までになかったような人々の交流が生まれる希望があります。そんな空間内では、フィジカルな自分と一味違うデジタルな自分を感じることができ、新たに表現できる可能性もあります。ブロックチェーンやNFTは、そんなデジタルな自分を育むための基盤として有用です。
「福祉の中でデジタルを使うのではなく、デジタルの中で福祉を実現したい」というGood Job Centerのみなさんの想いを初めて聞いたのが非常に印象に残っています。この「グッドジョブさん」というNFTがある種の象徴としてゆるく鎮座し、共有されることで、想いの実現に向かうのではないかと考えています。
NFTが「概念の箱」のようなものとして機能し、その保有者の緩やかな連帯が大きな力を生み出すことを期待しています。あらゆる個性が、デジタルな空間で交錯し、新たな仕事が生み出されていくことを願って👍
技術解説
今回の取り組みでは、イーサリアムというブロックチェーンを活用し、一人ひとりがユニークなものをデジタル上で擬似的に保有できるNFTを1000体生成しました。これはいわゆるPFP(プロフィール画像)であり、SNSなどのアイコンに設定して利用可能です。
NFT(Non-Fungible Token)
NFTは、デジタル空間上の証書のようなものとして定義され、それに画像・映像などのデジタルコンテンツのデータを紐づけることで擬似的な保有を表現しています。また、ブロックチェーンは公に公開されたある種のデータベースであるため、結果的にあるNFTを保有することは、特定の事象や概念に対する意思の表明にもなります。
PFP(プロフィール写真)
PFPとは、NFTによって生まれたカルチャーであり、デジタル上の自己を表現するものです。個々の個性がしっかりと表現されながら、それでいて統一感があります。そのため、プロジェクトが掲げる想いをNFT保有者で共有しながら、それを社会に表明できる媒体ともいえます。
今回は、福祉に関わる人もそうでない人も、デジタルなプロフィールに安心して設定できるようなものを作りたいと考え、アートディレクターのCHACOさんにゆるく楽しいキャラクターを制作していただきました。
高瀬 俊明(株式会社TART NFT担当)
タイムライン
今後の展望
日頃は福祉に関わりのなかった人たちが、NFTという共通点を持ちあうことによって、福祉に関わるきっかけを得つつあります。さらに全国各地の福祉施設が参加して協力しあうことで、さまざまな人が福祉施設に足を運ぶ機会が増え、同時にデジタル上で関わりあいが増え、ものづくりやイベントを楽しみながら新しい仕事やケアの文化が生み出されていくのではないでしょうか。
Good Job! Digital Factory プロジェクトドキュメント 5分
2022年度の取り組みを共有するために、2023年8月に福岡と大阪、10月に宮城で成果報告会を開催。意見交換とコミュニティ形成を目的とした普及活動をおこないました。
また、障害のある人や支援者がテクノロジーにアクセスしやすくすることや、アーティストや技術者との連携をひろげることを目的に学習会を実施。障害のある人や福祉関係者を対象に「NFT」「ブロックチェーン」「メタバース」「ジェネラティブアート」「BodySharing」「ウェルビーイング」などをテーマに座学やワークショップ体験の機会をつくりました。
さらに宮城では10月の成果報告会を契機に、2024年1月にせんだいメディアテークで「障害のある人と芸術文化活動に関する大見本市」のプログラムの一環として展覧会とトークイベントを開催。肢体不自由児(Risa Sophiaさん)と技術者との協働も生まれつつあり、デジタル作品の立体化やものづくりを進めています。
また、企業との協働もはじまり、日本IBM株式会社と生成AIを活用して障害のある人の表現活動を拡張することを目的に、AIが作品のタイトルを考えたり、新たなアイデアにつなげたり、周りの人との関わりを生み出すアプリを開発して検証しています。
「Art for Well-being」のウェブサイトでは、実践的な取り組みに関するレポートや、学習会やインタビュー調査の内容を紹介していますので、ぜひご覧ください。
また、本事業についてより詳しく知りたいというご希望、トークイベントやワークショップの開催、協働事業のコーディネートなど、必要なサポートがありましたらご相談ください。
Research
表現とテクノロジーの分野で先進的な取り組みを行う実践者や研究者へのインタビュー(一部)。
Report
実践的な取り組みのプロセス、展覧会やトークイベントなどの報告(一部)。
実験的な取り組みに関わってきたエンジニアや研究者、福祉現場の人たちが集い、現時点での課題や期待などを共有しながら今後の可能性や方向性について探るシンポジウムを3月15日(金)・3月16日(土)に開催しました。
シンポジウムのアーカイブ動画を公開しております。ぜひご視聴ください。
「福祉×NFTの可能性」
庄野 祐輔(MASSAGE MAGAZINE発行人)
高瀬 俊明(株式会社TART 代表取締役)
水嶋 輝元(株式会社日本総合研究所 リサーチ・コンサルティング部門 マネジャー)
池田ワトソン(Good Job!センター香芝メンバー)
「表現とケアとテクノロジーのいま」
徳井 直生(アーティスト・DJ・研究者、株式会社Qosmo 代表)
緒方 壽人(デザインエンジニア、Takramディレクター)
筧 康明(東京大学大学院 情報学環・学際情報学府 教授)
小林 茂(情報科学芸術大学院大学[IAMAS] 教授)
お問い合わせ
一般財団法人たんぽぽの家
Art for Well-beingプロジェクト事務局
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2024年03月31日